日本文化講師インタビュー① 書道家 信貴黎香先生

「日本文化で人の力を最大化する」株式会社Flucleでは、様々な分野の講師と手を組み、社会人向けの体験・研修プログラムを生み出しています。

この連載では、日頃ご協力いただいている講師の方々に、その生い立ちや想いをインタビュー形式で語っていただきます。記念すべき第1回目は、弊社事業のロゴ等で何かとお世話になっている書道家の信貴黎香先生にお越しいただきました。

信貴先生の簡単な経歴を教えてください

はい、私は 4歳から書道を習い始め、20歳のときに師匠につきながら指導を始めました。

毛筆・ペン習字・かな文字・古典臨書・水墨画というジャンルで師範の免許を取得し、現在は教室運営をしつつ、筆文字のデザイン、企業でのセミナーや大筆パフォーマンスなどのお仕事をさせていただいております。

小さいとき、習字をやめたいと思ったことは?

やめたいと思ったことはないですね。小学校のときなど他の子はお稽古も1時間ぐらいでさっさと帰っていたんですが、私は2時間以上ずっと書いているような生徒でした。
たまたまと言うか…今となっては笑い話ですが、他の子たちは友達と遊ぶ方を優先していたと思うのですが、私はその子たちに人見知りをしていて。結構引っ込み思案な子どもだったので友達と一緒にいることは少なかったです。

でもそのおかげで、お稽古中ずっと「書道対自分」という世界の中にのめり込むことができたと思っています。他の人と喋らなあかんということが苦手だったので、その代わりに書の世界にひたれるのが心地良くてお稽古に通っていました。今ではその性格で良かったなと思っています。

中高時代も続けて習われていたのですね

そうですね。自分の教室では早いうちに学生の部の一番上の試験を受かったりもしていたので、別にやめる理由も無く…

「自分の得意なことはこれだ」というのがその頃には分かっていました。それから親に褒めてもらえるのもすごく嬉しかったです。だから中学・高校でもずっと続けていました。

書道の先生になろうと思ったのはいつ頃でしょう

書道とか絵が好きだったので、いつかそれを生業にしてやっていけたらな…ということは小さい頃から思っていました。スケジュールも、お稽古や師匠と一緒に教える時間を優先していましたね。大学時代もそのように過ごし、就職する時期が来て就職先を探しても興味が湧かなかったりして…。で、「ほんまに書道でやっていけたらな」という想いが大きくなりました。

最高位までお持ちということですが…

その教室によって違うので何段と言っても同じレベルなのか分からないのですが、一応全部上の方までは取っています。でも今となると、そんなに肩書きというものは関係ないかな…と思っています。資格だけ見て比べたりした時期は、狭い世界で生きていたなぁとも思います。今こうやってひとりで活動していても、肩書は関係無く、行く所もお仕事もたくさんありますし。

資格や肩書よりも、経験や「何をしているか」がお仕事に繋がっているのですね。

そうですね。書道を続けた人は「習字の先生」になるという流れが普通だと思うのですが、実はそれだけでやっていけている人は少数です。兼業でお仕事しながら教えてる方もたくさんいらっしゃいます。でも多分、それもたまたまで…先生だけされている皆さんも、活動を増やされることでもっと書道のお仕事の幅は広がると思います。

教室の生徒さんの年齢層は?

30代・40代の方が多いですね。男女は半々です。

交流会などで名刺交換のときに「書道教室をしている」と言うと、「字が苦手なんです」と言う方がいかに多いかに驚きます。そして、「字を直したいんですよ」と言いながらそのままにしている方も、とても多いのだろうと思っています。

30代40代は、小学生時代に学校で書道をやらされ、スマホもPCも無かったはず…

書道かそろばんか、どっちかが習い事の王道でしたよね。

それにも関わらず大人になって何らかのきっかけで習い直す方が多くて…それから小学生で書道をやめてしまったけれど、大人になってからその重要性に気付き、字を直したいと思っている方がたくさんおられます。

その方々は上達されますか?

その方の思い込みで作り上げていた字の形を見ながら変えて行くので、反復練習が中心になります。練習をすることで字は本当に変わっていきます。一応、級・段がだんだん上がっていくようになっていて、上の段になると難しいお手本に挑戦してもらったりもします。

これからも、字の重要性は無くならないと思いますか?

機械がどんどん発展すれば発展するほど、字というものにより「温かさ」を感じるようになると思います。機密文書とかサインなど、本当にその人を証明する手段としてもまだ残ると感じています。

社会人の苦手な「のし」「芳名帳」などの筆ペンでの名前書き。儀礼の場でのマナーや、筆で字を書く習慣を完全に無くしてしまうことについてどうお考えですか?

今でも、手書きの方に気持ちがこもるということは確実にあります。「苦手だから無くす」という考え方は残念ですね。文字はずっと続いてきた文化でもありますし、心を伝えるためのものを、苦手を理由に排除してしまうのは悲しいなぁと思います。

弊社のスクール事業「われっじ」で5回開催した「開運できる名前の書き方講座」ですが、開運と名前の関係には昔から気付いていたのでしょうか?

気付いていたと言いますか…自分の家がそういう考えを持っていたので。名前は運気と結びつきがあると…まあ直接の教えでは無いのですけれども、画数などにもこだわる家でした。実は両親も、下の名前がふたつあるんです。

結婚して苗字が変わることで画数も変わるので、画数で新しい名前を付けていました。親戚にもそういう人がたくさんいたので、「名前というものが人生や運に大きく関わっているんや」ということは、小さいときから感じていたのですが…

皆そんなもんなんだろうと思っていたら、そうじゃない…と最近気づきました!

たった2時間の講座で字が上達!きっと開運もできているはず…

まず講座に来てもらったということは、何かが心に引っかかっていたから「参加しよう」という行動に繋がったということです。

そこで私がお伝えしたことで何かに気が付き、「やってみよう」と意識をして、そこから練習をしていただいた方は、いつのまにか自分の字が好きになって帰って行きます。

するとだんだん自分の名前を書くことが嬉しく、楽しくなってきて…
他の人からも「字がきれいですね」などと反応してもらえるようになったら気分も上がりますよね。
じゃあまた次書くときに「こうやって書いてみよう」と意識する自然のサイクルが、人間関係や運気を好転させてしていく作用になると思っています。

自分の名前なので、大切に扱う方が絶対にいいです。名前を丁寧に扱うことで、その人の内面が外にも現れていくということですね。だから生徒さんから「字がキレイになった」と報告をいただくことはとっても嬉しいですね。

最後に、自分の字の汚さが気になっている日本のすべてのビジネスマンに、書道を習うことの良さを伝えてください!

今の時代は、字を書くことを教えてもらうことが当たり前なので…そこにありがたみを感じることはなかなか無いと思うのですが、書くということ・字が書けるということ自体、ありがたいことです。

そして、扱う文字や日本語に対しても「ありがたいなぁ」ということをちょっとでも思っていただけたり、本当に自分の名前だけでも自信を持って書けるようになったら、皆さん本当に幸せを実感することが増えていくのではないかと思うので、騙されたと思って一回習いに来てみてください。

そして、その結果をあなたの周りの人にも伝えたい!と思っていただけると、嬉しいです。

ありがとうございました!

とても穏やか・おっとりな信貴先生。しかし実際の指導の場になると、的確・スマート・ほめ上手!本当に書道が好きで教えられているのが伝わってきます。まだまだお若い先生ですが、その指導歴はまさにお墨付き。今後も社会人に書道の楽しさを伝える企画へのご協力をお願い致します。

隔週月曜、信貴先生の「朝書道」が大阪京橋・OBPアカデミアにて開催されています。ご興味ある方はぜひお越しください。
「和文化を学ぼう われっじ」公式HP

信貴先生の教室はこちら
【月曜日18:00~20:00】 堀江教室  浄土真宗本願寺派亀宝山 萬福寺 大阪市西区南堀江1-14-23
【火曜日16:00~18:00】 天満教室  天満ガーデン3階  大阪府大阪市北区天神橋3丁目4-14
お問い合わせ・・・090-8989-6976  入会金・・・2000円  月謝・・・6000円(月3回)

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